定期的に変更されている、Googleのアルゴリズム。
検索エンジンを使う集客方法を取っているアフィリエイターは、常に最新情報をチェックしておく必要があります。
特に医療や健康、美容といったジャンルは、Googleによる「健康アップデート」により、近年上位表示しにくくなっています。
そのジャンルのアフィリエイターたちにとって死活問題な、医療系分野におけるアルゴリズムの大幅な変更。
その背景と影響、対策方法についてご紹介します。
Googleアルゴリズムの「健康アップデート」とは?
「健康アップデート」とは、2017年12月にGoogleが実施したアルゴリズムのアップデートです。
「医療・健康」に関する検索結果の向上を目的におこなわれました。
このアルゴリズム変更により、医療・健康・美容など、人命にかかわるコンテンツでは「量より質」を重視されるようになったのです。
その結果、当該分野に関連したコンテンツの検索結果が大幅に変動し、アフィリエイターたちにも大きな衝撃が走りました。
健康アップデートの背景
健康アップデートが行われた理由として、非公式ながらささやかれている事件があります。
2016年に起こった「WELQ(ウェルク)問題」です。
当時DeNAが運営していたキュレーションメディア「WELQ(ウェルク)」において、誤った医療情報が大量発信されていると社会問題に。
著作権を侵害する内容(いわゆるパクリ記事)も含まれていたことから、多方面から非難の声が上がりました。
大炎上した後にWELQは閉鎖されたものの、この件をきっかけにGoogleが健康アップデートに踏み切ったと言われています。
YMYLとは?
健康アップデートと関連してアフィリエイターが知っておかなければならないのが、「YMYL(Your Money Your Life)」ジャンルです。
お金や健康など、ユーザーの生活や人生に大きな影響を与えるジャンルを指します。
この言葉はGoogleの検索品質評価ガイドラインに登場しており、主に以下のジャンルがYMYLとして扱われています。
ニュース・時事問題
公共サービス・法律など
金融
ショッピング
健康・安全
人種や宗教、性別など
その他、運動や食品・栄養、進学や就職など、人生に大きく影響するトピックを扱うサイトも含まれます。
信憑性に欠ける情報や虚偽の情報が上位表示されないように、YMYL領域ではより厳しい評価基準が設定されました。
健康アップデートでは、YMYLのうちLife(生命)に関連するトピックスをメインに、アルゴリズムの変更が実施されています。
健康アップデートの影響は?
評価基準を厳格化し、検索結果の品質をより高めようとしているGoogle。
健康アップデートの影響は、医療や健康分野を扱うサイトの60%に及びました。
必然的に検索結果も様変わりし、以前まで上位表示されていたまとめサイトやアフィリエイトブログは順位を大きく落とすことに。
現在は国の公的機関が運営するサイトや、病院などの医療機関が運営するサイトが上位表示されるようになっています。
影響を受けたサイトの傾向
健康アップデートの影響を受けたジャンルを細分化すると、次のようになります。
・医療(病院、病気、薬、治療etc…)
・健康(マッサージ、整骨院etc…)
・美容(エステ、脱毛、コスメetc…)
・健康美容グッズの物販(青汁、ホワイトニング、サプリetc…)
アフィリエイターにとっては定番である、健康美容グッズの物販サイトも影響を受けています。
具体的にどのようなサイトに表示順位の変動があったのか、傾向を詳しく見ていきましょう。
順位が下がったサイト
以下の4つのいずれかに当てはまるサイトは、健康アップデートにより検索上位から大幅に下落しました。
・信ぴょう性のない、もしくは虚偽と思われる情報を含む
・専門的な解説や知識が掲載されていない
・まとめブログ
・キュレーションサイト
どれも健康アップデート以前は上位表示されていたサイトばかりです。
また、「Yahoo!知恵袋」のようなQ&Aサイトも軒並み順位を落としています。
Googleは「ユーザーファースト」を掲げているため、信頼性に欠けるユーザビリティの低いサイトは実質排除される形となりました。
順位が上がったサイト
一方で、健康アップデートによって順位が上がったサイトもあります。
・厚生労働省など、国の公的機関が運営するサイト
・医療機関が運営するサイト
・医療従事者などの専門家が解説しているサイト
・実店舗を持っているECサイト
以上の結果だけを見ると、個人で運営するアフィリエイトブログなどは勝ち目が無いように思えてしまいますよね。
しかしSEO対策をきちんと行えば、医療・健康(美容)分野でも上位表示を狙えます。
健康アップデートへの対策は?
医療や健康、美容分野で上位表示させるためには、「E-A-T」が重要です。
E-A-Tとは何なのか、詳しく見ていきましょう。
E-A-Tを高める
E-A-Tとは、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の略称。
Googleが検索品質評価ガイドラインで使用している用語のひとつです。
Googleが自身の検索エンジンの品質を評価する際、特に重視している項目と言われています。
特にYMYLジャンルにおいてはE-A-Tが重大視されているため、必ずクリアしておかなければいけません。
E-A-Tをクリアするためのポイントは3つあります。
専門家の監修を付ける
専門家による記事監修を付けることにより、コンテンツの専門性と権威性が担保されます。
医療従事者や美容関係者など、信頼できる経験者が書いた記事も同様です。
専門知識が無い人が作ったコンテンツ、もしくは書き手の分からない記事は、低品質のページとみなされてしまいます。
また、根拠(ソース)が不明瞭なコンテンツも、「事実に基づかないもの」として低評価の原因となります。
質の高いオリジナルコンテンツを作る
誰かの記事を勝手にコピーしたもの(パクリ記事)は、健康アップデートによって軒並み順位を下げました。
YMYLに限らず、Googleはオリジナルコンテンツを高く評価します。
医療、美容・健康系で専門家の監修が付けられないのであれば、「自分自身の体験談(レビューなど)」で勝負しましょう。
体験談は唯一無二のオリジナルコンテンツになるため、SEO対策として非常に有効です。
また、分かりやすい内容で書かれているかにも注意しましょう。
専門用語などは、素人でも理解できるように丁寧に解説を入れておくとよいです。
サイトの運営者・記事の書き手を明確にする
コンテンツ制作者やサイト運営者の情報はオープンにしておきましょう。
情報の発信元が信頼できるかどうかが重要視されているためです。
特にニュースサイトの場合、編集ポリシーを公開しておく必要があります。
高品質なコンテンツで健康アップデートに打ち勝とう
健康アップデートにより、以前のような「コンテンツの大量生産作戦」は通用しなくなってしまいました。
これから医療、美容・健康系のサイトで勝負していきたい人は、一つひとつのコンテンツの質を高めることを意識してみてください。
対策が難しければ、他ジャンルに移ったり検索以外の集客を考えたりしてみましょう。
日々変化していくGoogleのアルゴリズムを追いかけ続けるより、検索エンジンに依存しない方法を取るのもひとつの手段です。
ただしロングスパンで見ると、高クオリティなオリジナルコンテンツを作り続けたほうが、将来的に上位表示されやすい可能性もあります。
現在表示順位で苦戦している人は、E-A-Tに沿って既存のコンテンツのリライトから始めてみましょう。