健康増進法というものをご存知でしょうか? アフィリエイトのジャンルで人気の高い健康食品。自身のサイトで取り扱う場合、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、旧薬事法)や景表法(景品表示法)と同じように、気を付けなければならない法律です。
違反すると大きな代償を払うことになるにもかかわらず、意外とノーマークの方も多いので、今回はどういう法律なのかを簡単に説明しながら、規制の対象や広告表現のNG例などをご紹介します。
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健康増進法とは
健康増進法は、国民保健の向上を図ることを目的とした法律です。消費者がさまざまな健康食品の商品のパッケージ等にかかれた効果を期待して継続的に摂取し、診療の機会を逃すことを防止する役割もあります。
高齢化が進み、国民一人ひとりの健康の維持が重要となってきています。そのため、健康増進法で国民の健康の増進に関するさまざまな基本事項を定め、措置を講じて一般消費者の健康をサポートしています。
「健康増進法」という言葉そのものを聞くことはほとんどないかもしれませんが、2020年4月1日から飲食店の屋内での喫煙が原則NGというマナーからルールに変わったのもの健康増進法の改正法が成立したからです。
アフィリエイトは健康増進法の規制の対象
商品を提供する製造業者や販売事業者はもちろん、新聞社やインターネット媒体社、広告代理店などの広告媒体事業者も規制の対象となり得ます。ASPやアフィリエイターも商品そのものを供給する事業者ではないので景表法には該当しませんが、虚偽誇大表示などに関与している場合、健康増進法違反となり、何らかの処罰を受ける可能性があります。
景表法では、虚偽誇大表示などをした場合、製造業者や販売業者が規制の対象となるだけで、アフィリエイターは原則規制の対象外です。しかし、健康増進法は、第31条第1項で「何人も」著しく事実と相違する表示や誤解させるような表示をしてはならないと定められています。そのため、虚偽誇大表示などの表示をした事業者すべてが規制の対象となります。
薬機法にも共通する規制対象となる広告表現
健康食品や保健機能食品といったアフィリエイト商材を紹介するときは、誇張や事実と異なる情報、誤解するような表現をしないよう気を付けましょう。そもそも健康食品や保健機能食品は、それぞれの名前からも分かる通り「食品」です。不足しがちな栄養の補い、健康維持のサポートしてくれるもので、病気などの症状を治したり、予防したりする治療薬ではありません。認められた効果効能やエビデンスの範囲を超える表現は避けるようにしましょう。
特に気を付けたい表現は、次の3つです。
・医薬品のような表現
「食後に1日3粒飲みましょう」、「寝る前に1粒飲むだけ」など、具体的な用法・用量を指定することはできません。ただ、食品であっても過剰摂取すると副作用等のリスクもあります。そのため、健康増進法でも目安量や1日の摂取上限数について触れることができます。ただし、表現方法には注意が必要です。
東京都福祉保健局の「医薬品的な用法用量について」によると、「食前」「食後」といった医薬品的な誤解を与える表現でなければ、食品としての目安量を示すことは医薬品的とみなさないとされています。健康増進法に抵触しない表現で目安量を伝えるポイントは、「食品」であることを明示することです。具体的な例を4つ挙げているので参考にしてみてください。
① 量について
違反例:1日3粒
改善例:目安として1日3~4粒(食品であることを示したうえで)
② タイミングや間隔
違反例:毎食後に1包ずつ
改善例:栄養補給として、1日3包程度を目安に(食品であることを示したうえで)
※「食後」「毎食後」「寝る前」などは医薬品的な表現になるため、「+量」の伝え方はNGと覚えておきましょう。
③ 飲み方
違反例:飲みにくい場合はオブラートに包んで
改善例:飲みにくい場合は、牛乳100mlぐらいを入れて溶かすとおいしく飲めます
※オブラートは医薬品特有の飲み方なので「オブラートに包んで」はNGですが、「牛乳で溶かして」などであれば、食品としての摂取方法・調理方法とみなされるため、医薬品的な表現にはなりません。
④ 過食を避けるための表現
「食物繊維が豊富に含まれているため、摂取しすぎるとお腹が緩くなることがあります。そのため、多くても1日6個ぐらいにとどめましょう」
※過食することで健康に影響が出る場合、摂取量の上限を書いても医薬品的な表現になりません。
・病気に対する効果や予防できるかのような表現
「海外では便秘薬として販売されています」「糖尿病や高血圧を改善」「生活習慣病の予防」など、何らかの病気に対して効果が期待できるような表現は誤解を与えてしまうためできません。また、「1日3粒を目安に服用し、調子がよくなったら1日1粒に減らしましょう」や「健康維持なら1粒、生活習慣病が気になるなら3粒」といった症状に応じた飲み方の提案も医薬品的な表現とみなされるため、注意が必要です。
① 病名
違反例:動脈硬化を防ぐ
改善例:健康維持に役立つ
※単なる「健康維持」や「美容」の表現自体はNGではないので、「健康維持に役立つ」や「健康維持のために活用しましょう」くらいの表現であれば違反にはならないとされています。
② 用法用量
違反例:健康維持が目的なら1粒、生活習慣病が気になる方は3粒を目安に
改善例:(食品であることを明示したうえで)栄養補給としての目安は1日3粒ですが、お好みに合わせてどうぞ。
・身体機能の増強や増進などの誤解される可能性がある表現
健康食品や保健機能食品は、身体の一部の機能が増強・増進するような表記はNGです。医薬品的な表現と認識されてしまいます。例えば、「疲労回復」や「老化防止」、「細胞の活性化」、「新陳代謝の向上」などです。
「栄養補給」という表現自体も、そのままであれば問題ないのですが、前後に病気の改善を促すような表現や栄養補助食品としての範囲を超えた表現をしていると健康増進法違反となってしまうので注意しましょう。
① 健康維持・増進
違反例:体力増強、疲労回復
改善例:働き盛りの栄養補給に、仕事の合間の栄養補給に
※病気に関連しない年齢や状況に対しての健康増進は医薬的な効果効能には当たらないとされています。
違反するとどうなる?
健康増進法は法律なので、最悪の場合刑事罰を受ける可能性があります。薬機法の場合、違反すると即刑事罰となることがありますが、健康増進法の場合、即刑事罰というケースは少なく、まずはサイト表記の改善指導がおこなわれるのが一般的です。指導を受けた場合は、速やかに該当箇所の表示を削除、または修正しましょう。
健康増進法の目的である「国民保健の向上」に著しい影響を与えたり、改善指導に従わなかったりすると、必要な法的措置をとるための勧告がおこなわれ、世間に公表されます。最悪の場合、刑事罰を受けることになるので、記事を作成するときは、薬機法はもちろん健康増進法についても意識するようにしましょう。
まとめ
健康食品系の商材は豊富で、初心者でも始めやすいジャンルですが、健康食品も保健機能食品も「食品」なので、記事を作成する場合は気を付けなければならない表現があります。健康増進法は、薬機法や景表法と共通する部分も多いので、NGの法則を覚えてルールを守った記事作成を心掛けましょう。